皮革製造メーカーのWEB担当 ヒロです。
落としたり、雨に濡れたりと・・・「財布」は日々ダメージを受けます。
最終的に穴が空いてしまったりして「買い替えかな?」となる訳ですが、少しでも長持ちさせたいですよね。
では、「丈夫な素材」とはなんでしょう。
まとめてみます。
何をもって「丈夫な財布」とするか?
「丈夫」と一口に言いますが、捉え方は人それぞれではないでしょうか。
「寿命が長い」とか、「破れにくい」などなど・・・それぞれ理由があるかと思います。
日常使いで「傷」や「破損」を気にせず使える財布の事かな?
財布の素材を考えた時、以下のような項目でしょうか。
- 水に強い
- 熱に強い
- 汚れに強い
- 弾力性がある
- 傷がつきにくい
それぞれまとめてみます。
革(レザー)とナイロンならナイロンの勝ち
財布の素材は大き分けると「革(レザー)」か「ナイロン」のどちらかになります。
例外もありますが、革は水に弱く濡れると「シミ」になってしまいます。
その点、ナイロンは水を弾く性質があります。
同様に油分などの「汚れ」についても同じことが言え、ナイロンの方が弾きやすいでしょう。
ポイント
「ナイロン」の方が優位と書いてますが、あくまで普段使いの雨や汚れへの強さで比較しています。
革(レザー)は手入れをすれば寿命が長いです。
パーツを交換すれば何年も使えますし、傷も味(エイジング)の一つとして楽しめます。
ただ、今回のテーマ「丈夫」とは、違う感じもしてきますね。
一長一短ありますが、総合的に「ナイロン」が優位なのかなと多います。
革(レザー)でも水や汚れに強い素材もある
「革は水に弱い」と上記の章で書きましたが、例外もあります。
例えば「スコッチガード加工」を全面に施した素材。
フッ素系の樹脂を革表面に付着させることで、油性汚れ・水性汚れを防ぐ撥水加工、防汚加工のことです。
水分だけでなく、油分などにも強くなる加工。
まさに「膜」が掛かったように革全体が水を弾きます。
ナイロンとは違いますが、こちらも丈夫な素材といえます。
選択肢の一つとしてどうでしょう。
丈夫さで探すならバリスティックナイロン
ナイロンの強度は「デニール」と言う単位で表現されます。
デニールは簡単に説明すると、'糸の太さ(重さ)'になります。
「キログラム毎メートルの九百万分の一」である。これは、g/m の9000分の1に当たるので、9000メートルの糸の質量をグラムで表したものがデニール値となる。
Wikipediaより引用
例えば、9000メートル150グラムの場合は 150 デニールである。
つまり、【9000mmに引き伸ばした糸の重さ = デニール】と言う事。
このデニール数が大きい程、繊維が太く丈夫な素材と言うことになります。
バリスティックナイロンは「1700D(デニール)」と言う高強度繊維で編まれており、通常の繊維と比べて4~5倍があるとされています。
アメリカの化学会社デュポン社が開発したナイロンです。
その強度ゆえ、防護服や軍事用品の素材としても採用される素材です。
アウトドア系のアウターやキャンプ関連のアイテムでよく見かけますね
バリスターナイロンは国内最強(?)の素材かも
「バリスターナイロン」と言う日本国内で編まれた素材をご存知でしょうか。
生地の元となる糸は、アメリカ軍の防弾ベストにも使用されていた「超強力糸66ナイロン」を使用。
デニール数は驚きの「2520D(デニール)」という数値を誇ります。
バリスティックナイロンと比べても、いか高強度であるかがよくわかります。
バリスターナイロンはPORTERの「ヒートシリーズ」で採用されてますね
メンズ向け 丈夫で頑丈な財布3選
最後にメンズ向けな、丈夫な素材を使った財布を紹介します。
「高強度ナイロン素材」のアイテムに絞って探してみました。
革とは違う使い勝手の「ナイロン素材」のお財布。
是非、検討してみてください。
TUMI(トゥミ)
ビジネスバッグで定番のブランド「TUMI」。
バリスティックナイロン、レザー、カーボンなどなど。
様々な素材展開がありますが、TUMIといえば「バリスティックナイロン」使いのビジネスバッグが頭に浮かぶのですが・・・僕だけでしょうか。
それだけ、「高強度ナイロン」のイメージが強いメーカーだと思います。
小物類の展開も豊富で、「財布」や「カードケース」も扱っています。
レザーに比べると、どうしてもチープな印象になりやすい「ナイロンアイテム」を高級路線で展開する数少ないメーカーです。
PORTER(ポーター)
もはや説明の必要もないでしょうが、定番の「POTER」です。
中でも「HEAT(ヒート)」は耐久性と耐水性に優れた異なる素材を組み合わせた、スタイリッシュなデザインが魅力。
高強度の「バリスターナイロン」をメイン素材に、一部分に工業用資材として用いられる耐水性の高いターポリン生地を使用しています。
黒一色のワントーンでありながら、異なる質感の生地を組み合わせることでコントラストの効いた見た目が特徴です。
ガシガシ使ってもヘタレない、丈夫な作りが魅力ですね。
実は結構シリーズが続いており、2001年発売以来バッグ・小物とラインナップが増え続けています。
それだけ需要があると言うことですね。
monogoods(モノグッズ)
合理性に基づいたグッドなモノ規格×ファクトリーサービスをコンセプトに掲げる「monogoods」。
こちらのL字ミニ財布は、WEBメディア「&GP」のコンテンツ「小さい財布」製作日記内のアイデアを形にしたお財布です。
まさに男の理想、「そこそこの容量」・「薄い」・「丈夫」を具現化しています。
この財布は気軽に「尻ポケ」に突っ込んで使うイメージ。
ただ、一般的な素材ではどうしても財布へのダメージが気になりますよね。
革素材の財布を尻ポケに突っ込むと角がダメになるんだよね・・・
そこで採用したのが、1680D(デニール)の特注コーデュラバリスティックナイロン 。
これにより汗や圧によるダメージを防ぎます。
シンプルな見た目ですが、とても良く考えられたお財布だと思います。
まとめ
丈夫なお財布についてまとめてみました。
「丈夫」さを優先するなら、革(レザー)よりデニール数が大きい「高強度ナイロン素材」がいいでしょう。
何をもって「丈夫」とするかは人それぞれですが、外からのダメージには有効だと思います。
ただ、「ファスナーが丈夫」や「ホックが壊れない」などの話は、財布本体というより「パーツ」の話になるので今回はあえて触れてません。
もし「パーツの破損が気になる」と言う人は、パーツ数が少ないシンプルな財布をお勧めします。
余計な破損を気にする事が減ります。
参考になれば幸いです。