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【なぜ?】美容系ネット(WEB)広告に気持ち悪い画像が多い理由【不快】

2021年12月24日

皮革製造メーカーのWEB担当 ヒロです。

今回は皆さん一度は見た事があるであろう「気持ち悪いネット広告」についてです。
その中でも「美容系のエグい広告」について、書いてみたいと思います。

ネット広告が無法地帯

「目元のブヨブヨには・・・」「毛穴の角栓が消えた!!」「歯の黄ばみが真っ白!!」などなど。

ここ数年、ネットをし閲覧ていると急に出てくる「グロい画像」を使用した美容広告

他人の毛穴画像など見ていて気持ちいいものではなく、かなり気持ちが悪いです。

ヒロ

あんなん嫌がらせやろ・・・

そもそもあのような「気持ち悪い広告」で、誰が喜ぶというのでしょうか。
そこにはWEB業界の抱える「闇」とも言える実情があります。

ネット広告(アフィリエイト)の仕組み

アフィリエイト

まずは「ネット広告(アフィリエイト)」の仕組みについてです。

「商品」を売りたい「広告主(販売者)」と「ブログを書いてるAさん」がいます。

広告主は「商品」をWEB上の様々な人に知ってもらい、売り上げアップを目指しています。
そこでブロガーに商品を紹介して貰う為、「仲介業者(ASP)」にお願いして「Aさん」に広告掲載をお願いしました。

「Aさん」は「商品」のバナーを自分のブログに掲載しました。

「商品」が10000円で、成果が「商品購入の10%」とすると、Aさんのバナーがクリックされた後、商品が売れると1000円の報酬が発生します。

このコンテンツ経由で報酬を得る仕組みを「アフィリエイト」と言います。

駆け足で進みましたが、「WEBを通して商品を紹介して報酬を得る仕組みか〜」位で大丈夫です。

ヒロ

言わずもがなですが、僕も記事を書いて広告を貼ってるので「アフィリエイター」と言う事になります。

特に美容系が不快で気持ち悪い・・・なぜか?

スキンケア

では、本題に入りましょう。
やたらに煽ってくる「美容系広告」。

特に目に付くのが「角栓」「脂肪」「シミ」「たるみ」「口臭」「バストアップ」辺りでしょうか。

ヒロ

特に酷いのが「毛穴(角栓)」ですね。
ゾワゾワしますよね、あのバナー。

では、なぜこのような「美容広告」がやたらに不快なものが多いのか。

それには以下の4つの項目が大きく関係しています。

  • アドアフィリエイトと副業ブーム
  • インパクト勝負 目に留まってクリックさせれば勝ち
  • コンプレックス商材は売れる
  • ターゲットにされる情報弱者

それぞれ解説していきます。

アドアフィリエイトと副業ブーム

アフィリエイトはサイトにアクセスしたユーザーが、アフィリエイトリンクをクリックして商品を購入すれば成果が発生します。
(※条件が異なる場合もありますが、説明が長くなるので割愛します。)

その為、必要になるのは「アクセス数」と言う事になります。

ヒロ

実店舗で言う所の「来店客数」ですね。

多くのユーザーの目に触れれば触れるほど、購入のチャンスが生まれる訳です。

サイトを見てもらうには検索エンジンで1位を狙う・・つまり狙った「キーワード」で検索上位を目指さねければなりません

ポイント

例えばですが「クレンジングオイル」を販売している業者の場合。
・【 クレンジングオイル 毛穴 おすすめ】
・【毛穴ケア クレンジング】
のような、購入意欲のあるキーワードを探して上位を目指す必要があります。

本来なら検索順位というのはコンテンツの質により、検索エンジンが決めるものです。
上位表示を目指す場合「SEO」と言う試作を行うのが一般的になります。

ただ、SEOは即効性がなく、確実に上位がとれる確約もありません。

※一般的にコンテンツをアップしてから検索順位に大きな変化が見られるまで平均1〜3ヶ月掛かります。


そんな時に用いられるのが「広告」です。

広告はSEOに左右されず、上位表示が可能です。
この仕組み(アドネットワーク)を使ったアフィリエイトを、「アドアフィリエイト」と呼ばれます。

ざっくりと流れを書きます。

①広告出稿OKな商材をASP(仲介業者)から探す。
②広告OKなサイトを見つけたらキーワードの選定、ペラページの作成。
③広告の出稿、運用開始。

はい、駆け足ですが上記が「アドアフィリエイト」の流れになります。
早い人なら流れ作業で、1日に複数のサイトが量産可能です。

ヒロ

「アドアフィリエイト」はSEOの知識がなくても始められる為、副業ブームの現在、新規参入者が増えてきているとも言われています。

ただ、広告の運用知識がいるので、そう簡単ではありません。
僕はお勧めしませんね。

広告は「※入札方式」になってます。
(※出稿する広告により異なる、以下の説明はPPC広告です)

ポイント

例えば「毛穴ケア クレンジング」と言うキーワードに対し、1クリックで支払って良い広告料金を決めて「入札」をします。
ライバルよりも設定単価が高ければ広告が上位表示される仕組みです。


もちろん広告には、審査があるのですが・・・「際どい広告」もあっさり審査が通ったりします。

もっと突っ込んだ話をすると「個人のアフィリエイター」よりも、「法人アフィリエイト業者」や「広告代理店」が絡んでいたりと・・・

一番多いパターンは「広告主(販売者)」が「代理店」に丸投げで数字だけを見ている例が非常に多い。

何が言いたいかというと、「お金さえ積めば広告が表示できる」と言う事です。


コロナ禍でおうち時間が増えたことから、WEBサイトの閲覧時間が増えました。
ただ、企業はコロナのダメージから広告費の一部をカット。

それにより「キーワード購入単価」が安くなり、新規参入者が増加、それにより「質が低い広告が増えた」とも言われています。

現にWEB広告の苦情は2020年に過去最多を更新しています。

インパクト勝負 目に留まってクリックさせれば勝ち

広告という媒体は印象に残らなければ意味がありません。
特にWEB広告(パナー ・ テキスト)の場合、余程のインパクトがなければクリックすらされません

現代はスマホでWEBサイトを閲覧する人が、PCを越えています。
その場合、スワイプされるその一瞬の間に目に留まり、クリックをさせる必要があります。

「気持ち悪いバナー」というのは、言い方を変えれば「印象に強烈に残るバナー」
出来心で良いから、とにかくクリックをさせ「アクセス数」を集める。

広告出稿者の狙いはそれです。

「うわぁ・・・なんだよこの画像・・」とクリックしたら出向者の思う壺と言う訳ですね。

コンプレックス商材は売れる

コンプレックス商材というのは人間が抱える「劣等感」・「コンプレックス」に訴求する商材をさします。
具体的に言いますと、以下のような項目がそれです。

  • 美容整形
  • 肥満
  • 増毛 脱毛
  • シワ シミ
  • 口臭
  • ニキビ
  • 腋臭
  • 貧乳
  • 包茎

上記はあくまで一例ですが、イメージが掴めたでしょうか。
いわゆる「悩み」ですね。

これらの「コンプレックス」項目に共通しているのが、「出来れば人に知られたくない」ではないでしょうか。

だからネットで検索を掛け、悩みの解決糸口を探す訳です。

「美容系」と一括りにされますが、「悩み」が根底にあります。
「後、3キロ痩せたい」「目尻のシワを消したい」「友達に貧乳と言われた・・・」などなど

つまり、それだけ「マーケットが大きい」のです。

ターゲットにされる情報弱者

アドアフィリエイトのカモにされるのが「情報弱者」と言われる方々です。

普段から「スマホ」や「PC」でネットに触れてるかどうか。
もっと言えば、「旬な情報の入手方法」を知っているかになります。

これらの格差の事「デジタルデバイド」と言います。

IT(情報技術)を利用できる層とできない層との間で生じる格差のこと。デバイドは「分割する」「分裂する」などの意。
デジタル格差。パソコンやインターネットなどの情報技術を使いこなすことで、情報の入手量や質が格段に向上する。
一方、使いこなせない人との間に情報格差を生み、それが機会や待遇の差、最終的には貧富の格差にまでつながるという考え方。個人間の格差のほかに、地域間、国家間での格差を意味する場合もある。

引用元:コトバンク

「ネットリテラシー」が身についてる人なら、「これって怪しくない??」と「情報を精査」する事ができます。

一歩立ち止まって、冷静に調べる力。
これは広告だけでなく、「詐欺メール」「偽サイト」「デマツィート」など、ネットに関係がある事全てに当てはまります

しかし、ネットに弱い人はそれができません。
例えばアフィサイトに「インフルエンサーも絶賛!!」「あの有名人も御用達!!」などと書いてあるとそれだけで購入してしまったり・・・

そのような、情報弱者がアドアフィリエイトのターゲットにされてしまいます。

気持ち悪い美容系広告をブロックする方法

この章ではいくつか「広告ブロック」に関する情報をお伝えします。
ただ、広告を「完全にブロックするのは難しい」と思っておいてください。

いたちごっこに近いので、キリがなく終わりがありません。
ですが、やらないよりは効果があります。

主な方法としては以下の3つです。

  • 広告設定より美容系広告のジャンルを削除
  • 不快な広告は報告(申告)ボタンを押す
  • 本当に嫌な広告はJAROに苦情を送る

広告設定より美容系広告のジャンルを削除

Googleアカウントを使ってる方は、まず最初にこの方法をお試しください。
広告の中でも一番目につくのが「Googleアドセンス」広告だと思います。

Googleは検索履歴、年齢、性別などから「興味があるであろう広告」を表示します。
その「興味があるであろうカテゴリー」は実はカスタマイズができます。

Googleアカウントにログインした状態で以下のページへ↓↓

Google広告設


どうでしょう。 ずらーーーっとカテゴリーが並んでますよね?
これが、貴方が普段なんとなく「検索」してる項目になります。

ヒロ

婦人服とか検索した記憶がないのだが・・・
恐らく様々な検索ワードから、それに近いカテゴリーを当ててるんでしょうね。


興味のないカテゴリーを「クリック→オフにする」これで完了です。

これでGoogle広告から美容関連が消えたはずです。
カテゴリーを元に戻す事もすぐ出来るのでお手軽です。

不快な広告は報告(申告)ボタンを押す

広告 インフォメーションマーク

次に広告の報告についてです。
広告バナーの隅っこ「i」または「×」と表示されてるのを見たことはありませんか??

ヒロ

「×」はGoogleだけかな??

ポイント

この「i」は「information」の頭文字。
または「アドチョイス」「アイマーク」などとも呼ばれます、Googleが広告に最初に取り入れたマークです。

もし「i」が見当たらない場合、小さな文字で「Recommended by ●●●」と配信企業の名前が出てる場合が多いです。
探してみましょう。

クリック後は、広告配信元により手順が異なります。
申告フォームが用意されてたり、メールアドレスが掲載されてたりと。

手順に沿って申告をしてみましょう。
一つ言えることは「返信は無い」と考えておいてください。

「意見を申告した」だけであり、意見が反映されるかどうかは分かりません。
ただ、やるとやらないでは雲泥の差です。

本当に嫌な広告はJAROに苦情を送る

「どうしても許せない広告がある・・・」そんな時はもっと上の団体に報告を入れましょう。

ポイント

JARO / 日本広告審査機構

JARO(ジャロ)とは、公益社団法人 日本広告審査機構の英文名 Japan Advertising Review Organizationの略称です。
JAROは「悪い広告をなくし、正しいよい広告を育てたい」という広告界の念願で、広告主や新聞社、出版社、放送会社、広告会社それに広告制作会社など広告に関係する企業が自ら集い、1974年(昭和49年)に誕生した民間の広告自主規制機関です。

たまに、TVCMなどを見かけるので知ってる人も多いのでは無いでしょうか?
こちらも「連絡用のフォーム」が用意されています。

広告みんなの声 送信フォーム

JAROは「※公益社団法人」に該当します。
(※ 行政庁から公益性を認められた法人のこと)

極端な例えですが、この団体を敵に回すという事は国を敵に回すのと同じことになります。
JAROのメスが入った場合、広告の「改善・停止」の指導が入ります。

「許せない広告」が我慢せず、報告してみましょう。

まとめ

「気持ち悪い美容系広告」についてまとめてみました。

複雑に絡み合ってるので、流れが難しかったかもしれません。
元凶とも言えるのが、「売れれば良い!!」という考えの「広告主(販売者)」が多すぎるという事です。

しっかりした「販売元」ならブランドイメージがあるので、「気持ち悪い広告」は許可しないでしょう。
それが「仲介業者(ASP)」を通した後は丸投げで、「代理店」や「アフィリエイター」が出稿してる広告の内容すら知らない。

そんな「不透明な広告費」の使い方をしている「広告主」が多すぎるんですよね・・・

ただ、2021年8月に改正薬機法が施工されました。
これは広告業界にとっては、かなり大きなニュースになります。

一言でいうと「違反者は法人・個人問わず罰金 or 逮捕」です。
詳細に関して知りたい方は以下のサイトをどうぞ

ECのミカタ【2021年8月施行】課徴金制度導入!知らないとヤバい薬機法を徹底解説① 改正薬機法の概要と規制対象

ヒロ

某漢方薬メーカーの「広告主」と「代理店」が逮捕されました。
あの辺りから、業界内の締め付けが強くなったと感じます。

なかなか闇が深い話だとおもいませんか??

皆様も怪しい広告には騙されずに、どんどん報告しちゃいましょう。

参考になれば幸いです。

参考サイト
・通販新聞 大阪府警、ASPを捜査か<アドネットの闇> 重くなるウェブ広告関与の「代償」

PRESIDENT Online「私の家族も被害者に」ネット広告のプロが"サプリや化粧品をネットで買うな"と訴える理由

DIAMOND ONLINE「不快なネット広告」が増加する理由、コンプレックスを刺激、怪しい効果…

JARO 日本広告審査機構

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