皮革製造メーカーのWEB担当 ヒロです。
革のショルダーベルトや財布を使っていて裏側の「ザラザラ」が気になったことありませんか??
対処方法についてまとめてみます。
革の表と裏について
対処方法に入る前にまずは革の知識を少し。
革の「表」と「裏」はそれぞれ特徴が違います。
- 革の表 = 銀面(ぎんめん)
- 革の裏 = 床面(とこめん)
表皮があった部分を「銀面」、皮下組織があった部分を「床面」。
私たちが普段手にしている革製品のほとんどが「銀面」を表に使用しています。
ただ、例外として「起毛革(ベロア・スウェード等)」は「床面」をきれいに仕上げて表に使用します。
また、革の王様とも言われる「コードバン」。
こちらも馬の臀部の「床面」を磨き上げツルツルに仕上げた革になります。
一部に使用方法の違いはありますが、ざっくりと表面が銀面、裏面が床面と覚えていただければ大丈夫です。
革の裏面(床面)のザラザラの正体
「ベルトの裏面のザラザラが洋服に擦れてカスがついた・・・」
革の裏側を「床面(とこめん)」と言います。
で、この革の裏側の床面。
未処理の状態だと「ザラザラ」とした毛羽立った質感です。
画像のベルト、僕が使ってたベルトなんですが「けばけば」してますよね??
未処理のレザーベルトです。
毛羽立ちの正体は「繊維カス」。
この「繊維カス」が使うほどにボロボロと落ちてきます。
独特な手触りが革本来の特徴とも言えるので、処理を行わないアイテムもカッコ良いのですが、この「繊維カス」が洋服にこびり付いたり、精密機器の中に入り込んだり・・・なかなか厄介な存在です。
特にニットやセーターに繊維カスが着くと中々取れない・・・
では、そんな「繊維カス」への対応方法を紹介します。
ボロボロ落ちる革への対応方法
もし、繊維カスが気になるのなら「磨き処理」を行いましょう。
「レザークラフトやったことないし難しそう・・・」と言う声が聞こえてきそうですが、完璧な処理を求める必要はありません。
だって裏面ですから、普段は見えません。笑
専用の薬品さえあれば簡単に処理が可能です。
仕上げ剤(トコノール等)を使い磨く
必要になるのが「仕上げ材」。
仕上げ材とは「コバ」や「床面」を滑らかにするワックスの事です。
特にトコノールは定番中の定番のアイテムなので、革を持つ人は一つ買っておいて損はありません。
塗り方に関してはこちらの動画の解説がわかりやすかったです。
参考にどうぞ。
トコノールを床面に薄く伸ばし、線維の向き(動画内で解説されています。)に沿ってガラス板で押し込むようなイメージで塗り込みます。
毛羽立ちを押さえる糊の成分が、革の内部に浸透し毛羽立ちを防止。
天然ワックス成分が革を保護することにより、ザラザラと言う質感からしっとりとした質感を保ちます。
トコノールを塗り込めば、繊維クズが落ちる悩みは解決できます。
ガラス板は代用品でもOK
トコノールを塗り込む時に必要になるのが「ガラス板」。
ただ、このガラス板、レザークラフトをやる人なら使い道がありますが、「ちょっと床面を綺麗にしたい」程度なら購入に躊躇しますよね・・・
結構高いですしね^^;
そこで職人さんに「ガラス板の代わりに使えるものってないですか〜??」と聞いてみました!!
- ガラスの灰皿
- コーヒーの空き瓶
- ガラスのコップ
返ってきた回答はこんな感じです。
条件が「硬い・角がない(丸い)・力を込められる」。
ガラスのコップや灰皿あたりは100均で売ってるので、グリップしやすいアイテムを選べばいいでしょう。
ちょっと床面を綺麗にする程度なら、代用品でも問題ないでしょう。
ただ、本気でレザークラフトをやりたい人は「ガラス板」の購入をお勧めします。
なんでしょう、床磨き様に作られてるだけあってグリップしやすいんですよね。
力が入れやすいと言うか。
それと、結構力を込める作業なので腱鞘炎に注意してくださいね。
完璧な処理を希望なら「リペアショップ」に相談しましょう。
もし、リペアショップをお探しならユアマイスター がお勧めです。
エアコン修理業者が中心なので目立ちませんが、カバンや財布のリペアも行っています。
全国300人〜の革職人さんに見積もりが取れるので、お店を探す手間もありません。
修理を考えてる方は「見積もり」を取ってみては如何でしょう。
まとめ
床面のザラザラについてまとめてみました。
未処理の床面やコバのあの革らしい感じ(?)結構好きなんですが、実際使ってみると繊維クズが服に着くので不便なんですよね・・・^^;
そんなに難しくないので、ご自身で処理してみてはいかがでしょう??
参考になれば幸いです!