皮革製造メーカーのWEB担当 ヒロです。
マチのあるバッグを使ってると、角が擦れて剥げてきませんか?
角が剥がれる原因と、簡単な修理方法についてまとめてみます。
バッグの角は擦れてダメになりやすい
上記の画像。
僕が5年程使用した「レザーボストンバッグ」になります。
角が見事に「ボロボロ」に擦れていますね。
バッグの角はダメになりやすいポイントの一つです。
バッグの形状により異なりますが・・・
大体はパイピング部分(ふちのテープ)が地面と擦れてダメになってるパターンが多いです。
パイピングとは(piping) 洋裁で、バイアステープなどで布端がほつれないようにくるみ、始末すること。
引用元:コトバンク
玉縁(たまぶち)。また、二つ折りにした皮や布を、切り替えの縫い目に挟んでとめ装飾とすること。
簡単に言うと、「切り返し部分の処理方法」です。
革や生地を巻き付け縫製する事により、補強や見栄えなどの効果が見込める技法です。
「パイピング」(パイピングテープ)がダメになってる事がわかりました。
では、修理はどうしたらいいでしょうか。
自分で修理するかお店に任せるかの判断基準
「自分で修理」するか、「プロに任せるか」悩むところですよね。
最も気になるところが「修理にいくらかかるか?」ではないでしょうか。
仕事柄、修理にも携わるので以下の金額帯かな〜って感じです。
- 自分で修理 : 予算5000円以下
- プロに任せる : 予算5000円〜(?)
それでは詳しく解説していきます。
自分で修理
「色落ち・剥げ」など小〜中程度のダメージなら自宅でも修理可能です。
もちろん完璧な仕上がりを望むなら、プロに任せるべきですが「お安く」収えたいならトライしてもいいでしょう。
色落ち・剥げなど
革バッグの「色落ち・剥げ」には「補色」と言う作業を行います。
必要な物は「カラー補修クリーム」。
様々なメーカーのクリームがあり迷ってしまいますが、おすすめは「サフィール」。
色数が違います。
使い方も簡単で、少量を布切れなどで塗り込むだけです。
以下の公式動画で、「バッグの角の擦れの補修」について紹介されてます。
値段も1000円程度ですので、気軽に試す事ができるでしょう。
せっかくなら「補修クリーム」が乾燥した後に革に栄養をあげましょう。
基本的に「保湿系クリーム」ならどれを使っても問題ないです。
サフィールで揃えた場合、合わせて「3000円程」で購入出来るかと。
ショップにお任せすると恐らく「5000円〜」の見積もりになるかと思います。
注意ポイント
意外と簡単に補修は可能ですが、染まり方に特徴がある革では色ムラになってしまう可能性もあります。
「難しそう・・・」と判断した時はプロにお願いしましょう。
プロに任せる
プロに修理任せる基準になるのが、「角に穴が開いたり、芯が飛び出した時」でしょう。
破損してしまってる場合、交換になる可能性が多いです。
穴あき・芯が飛び出してる等
これもバッグの形状により異なりますが、パイピングの中には「芯」が入っております。
針金のような柔らかな素材です。
簡単に言うと「芯」は「バッグの骨」みたいな物です。
芯が飛び出している状態は例えるなら「脱臼」のようなイメージ。
そのまま使っていると、変な負荷が掛かってしまい型崩れの原因になります。
修理は状態により異なります。
「全交換」になるのか、「一部交換(包み直し)」になるのか破損状態によります。
それと、破損箇所によっても料金は大きく変わります。
「1箇所〇〇円〜」と見積もりを出す場合が多いので、何箇所の修理が必要か考えておきましょう。
バッグの角、全て(4箇所)を修理すると結構な金額になりますよ。
破損してしまったバッグの修理は、「リペアショップ」に任せた方が綺麗に治ります。
ただ、安く抑えたい人もいるでしょう。
その場合「補修テープ」を上から貼ってしまえば意外と目立たないです。
特に「シールタイプ」は作業が簡単なのでお勧め。
ですが、これは破損箇所が大きければ一時凌ぎになってしまいます。
長く使いたいバッグでしたら、「リペアショップ」への持ち込みをお勧めします。
バッグの角が擦れない予防方法とは
バッグの角は他の縫製箇所に比べ、負荷が掛かりやすい場所です。
例えば「地面に置いた」・「壁にぶつけた」・「重い荷物を入れた」などなど。
要因は様々ですが角はダメージが多い箇所になります。
では、バッグの角が擦れない方法はないのでしょうか。
「予防方法」について提案します。
底鋲を打ち地面に触れないようにする
地面とバッグの底が擦れ、いつの間にか大きなダメージになってしまします。
対策としては「バッグの底を地面につけない」でしょう。
いくつか方法がありますが、一番無難な方法は「底鋲」かと思います。
地面に触れる支点として、底鋲を4箇所 〜5箇所程打ち込めばOK。
ただ、バッグの底に穴を開ける必要がある為、レザークラフトや裁縫が趣味な人でないと少し厳しいかもしれません。
100均でも「穴あけポンチ」が売ってるので、道具を揃えるには大した金額にはならないでしょう。
ただ、「自分でバッグに穴を開けられるか?」・・・ですね。
綺麗な仕上がりを求めるなら、「リペアショップ」にお任せした方がいいでしょう。
料金ですが、「3000円〜5000円」が相場感だと思います。
革あてで角を覆い隠す
「バッグの底を地面につけない」と言う役割では同じです。
こちらは、角を補強するパーツになります。
角のパイピング部分を覆い隠す補強パーツです。
パーツとして売ってる物もありますが、革の切れ端を使っても流用可能です。
本来ならバッグを組み上げる前に、被せるようにして縫製します。
こちらも自分で後付けするなら、レザークラフトや裁縫が趣味な人の方におすすめです。
余談:ナイロンバッグはどうすれば良い
これまでの話は「革バッグ」を想定して進めてきました。
では、「ナイロンバッグ」はどうすれば良いのでしょうか?
前提として「ナイロン」は「革」より強度が劣ります。
どちらかと言うと、ナイロンは「擦れ」と言うより、「穴」が開いてしまうトラブルが多いです。
その為、長く使うつもりなら「予防作」を考えておいた方が良いでしょう。
「底鋲」・「革あて」の取り付けの検討や、普段は地面になるべく置かないことです。
ただ、気をつけて使っていようが、ナイロンは少しずつ劣化します。
もし角に穴が開いてしまったら「ナイロン補修テープ」で修理してあげましょう。
上の章でも書きましたが、小さい擦れ・穴なら「補修テープ」で充分です。
バッグの底をまじまじと見る人も居ないしね。
まとめ
バッグの角の擦れ・破れについてまとめてみました。
自分で修理できるか、お店に任せるかの「判断基準」になったでしょうか。
最近は100均でも代用できる、「修理資材」が増えてきました。
その為、資材を揃えたとしても1000円以下などザラです。
ただ、プロの仕上がりには敵いません。
上手く天秤に掛けて修理してみてください。
参考になれば幸いです。