皮革製造メーカーのWEB担当 ヒロです。
革小物だけでなく、ソファやバッグなど、様々な製品に用いられる素材が「合皮(フェイクレザー)」。
ただ、新品は匂いが「キツイ」との声があります。
原因とニオイの取り方についてまとめてみます。
合皮(フェイクレザー)はなぜ匂うのか
合皮の財布やバッグを購入した時、「匂い」が気になる事ありませんか。
なんとなく鼻につく「石油」のような匂いです。
(新品なのになぜ・・・?)
と、思うかもしれませんが、それは合皮の製造工程が関係しています。
そもそも合皮とは、人工的に作った革に似せた素材です。
ナイロンやポリエステルなどの化学繊維の生地の上に、ポリウレタンなどの樹脂をコーティングして作られた素材です。
このポリウレタンの原料は「石油」です。
原料が臭っていた訳ですね。
匂いの正体は薬品が混じり合ったもの
合皮は加工する時に「ポリウレタン樹脂(石油)」をコーティングします。
その残り香が強く残ってしまうと、「石油臭く」感じてしまう訳です。
それ以外にも・・・
- 皮に染色する時の「染料」
- 縫製する時の「接着剤」
などなど。
「なめし」や「縫製」する時などに使われる、「薬品の臭い」が原因とされています。
よく聞く例では、「石油・シンナー・イカ・ゴム」に近い臭いと言われます。
合皮(フェイクレザー)の臭いの取り方
合皮に最初からついてるニオイは、なかなか手強いです。
「体臭」みたいな物ですからね。
ニオイは汚れと違い、人によって感じ方が違います。
僕の勤務先でも、「商品がくさい!!」といった「お叱り + 返品事案」が、稀にあるのですが、返品された商品を嗅いでみると・・・
「・・・・・無臭 ??」
みたいなことがあるんですよね。
ニオイの感じ方は人それぞれなので、難しいところです。
どこまで落ちるのかはわかりませんが、匂いの取り方についてまとめてみます。
※全て自己責任でお願いします。
陰干しが基本
まずはこれ。
風通しの良いところで「陰干し」です。
この状態で「数日〜数週間」放っておきましょう。
匂いが薄まるはずです。
「ドライヤーに当てる」、「扇風機に当てておく」。
などの意見もありますがどちらも、「風に当てて乾燥」という事です。
注意ポイント
※ドライヤーの温風を長時間吹きかけると破損の恐れがあります。
ただ、直射日光の下で放置はダメです。
合皮は日光に弱い為、「劣化」が早まります。
気長に待つ必要があり、すぐに使えない難点がありますが、もっとも基本的な方法なので最初に試してみましょう。
家庭で出来る合皮(フェイクレザー)の臭い取り
以下3点が、合皮(フェイクレザー)の臭い取りに有効な方法です。
- 重曹を振りかける
- 炭を入れる
- 薄めたお酢でふく
それぞれ解説します。
重曹を振りかける
重曹には「消臭効果」があることは有名です。
ポイント
なぜ重曹で消臭されるかと言うと、臭いの多くは「酸性」なので、「弱アルカリ性」の重曹が臭いの元と反応し中和作用により匂いを吸い取ってくれる訳です。
振りかけると書きましたが、掃除が面倒なので直接はかけません。
袋の中に重曹を入れて、その袋をカバンや財布の中に入れ放置します。
消臭効果がある「重曹」が臭いを吸い取ってくれるはずです。
炭を入れる
炭にも同じく「脱臭効果」があります。
炭にはミクロレベルの小さな穴が無数にあいており、その穴が「臭いの分子」を吸着する事で脱臭します。
ポイント
イメージとしては「炭の穴が臭いを吸い取るフィルター」のような役割を果たします。
目には見えませんが、穴は膨大な数あいています。
表面積に換算すると・・・「1gあたりテニスコート1面分」とも言われます。
って例えられても、よくわかんないですよね? 笑
重曹と同じく、合皮と一緒に入れておけば「脱臭効果」が見込めます。
袋やキッチンペーパーに炭のかけらを包んで放置しておきましょう。
薄めたお酢でふく
酢に含まれる「酸」が、合皮の匂いを中和してくれます。
水で5倍程度に薄めた酢を、タオルに染み込ませしっかり絞り全体を優しく拭き上げましょう。
注意ポイント
薄め方が弱いと、酢のニオイが残ってしまうので注意が必要です。
シミにならないか、目立たない箇所でテストしてから試しましょう。
乾いたタオルで乾拭き後、風当たりのいい場所で乾燥させれば完了です。
自宅にある物で試せるので簡単な方法ですね。
レザーウォッシュスプレーを使う
家庭用の消臭スプレーといえば「ファブリーズ」や「リセッシュ」。
吹き掛けるだけで、匂いがとれる便利なスプレーです。
ですが・・・「革・合皮」には使用ができません。
布製品に使う場合、絹・レーヨンなど水に弱いせんい、ビーズ・刺しゅう部分、水洗い不可の表示があるもの、防水加工などの特殊な加工がしてあるものは、あらかじめ目立たない部分でシミ・色落ちなどが起こらないかお試しの上ご使用ください。
革・毛皮・人工皮革・和装品にはお使いいただけません。
出典元 : KAO リセッシュ除菌EX
メーカー側の説明文にもありますが、「革・合皮」に直接吹きかけるのはNG。
使用して良いのは内生地の布部分になります。
もし外身の革部分の匂いが気になる場合、革専用のスプレーをお勧めします。
こちらの「レザーウォッシュスプレー」ケアが目的のアイテムですが、除菌・消臭効果もあります。
使い方は簡単で、スプレーした後、柔らかい布やタオル類でやさしく拭き取ればOK。
「合皮・本革」問わず使える、嬉しいケアアイテムですね。
まとめ
合皮のニオイとりの方法についてまとめてみました。
軽めのニオイなら、陰干しで放置をすれば自然に落ちます。
もし、陰干しでも取れないようなニオイなら重曹やスプレーを使用しても良いかもしれませんね。
参考になれば幸いです。