皮革製造メーカーのWEB担当 ヒロです。
車のスマートキーが一般的になり、「プッシュ」でエンジンを掛ける時代になりました。
便利な時代になりましたが、その仕組みを悪用した盗難被害も相次いでいます。
今回は「リレーアタック」と「電波遮断キーケース」についてまとめてみます。
あなたの「スマートキー」が狙われている?
車の施錠や解錠をカギを取り出さずに出来る「スマートキー」。
エンジンもプッシュスタート式になり、今やカギを挿して始動する光景も過去の物になりつつあります。
そんな便利なスマートキー。
仕組みを簡単に説明すると、車に搭載された発信機と、スマートキーの双方間で電波を交信する事で「施錠・解錠・始動」を行なっています。
ポイント
これらの電波を用いて非接触でデータ読み書きする通信技術の総称を「RFID(アールエフアイディー)」と呼びます。
「交通系ICカード」や「ETC」など身近な物に使われている技術です。
では、本題に入ります。
以下の表は「自動車盗難の発生件数」になります。
警視庁発表の自動車盗のデータによると自動車盗の認知件数は、平成15年(6万4,223件)をピークに減少傾向にあり、令和2年は(5,210件)とピーク時から12分の1以下にまで減少し ています。
「若者の車離れ」など要因は色々言われていますが、一つに「スマートキー」が一般化した事も挙げられます。
それこそ、一昔前80~90年代辺りの「カギ」の車(バイク)は盗難が多かった・・・(語弊がある 笑)
キーシリンダーさえ取り出せればドライバー1本でエンジン始動が可能で、後はハンドルロックを無理矢理に・・・でしたね。
もちろん、現在の車にはその様な事はできません。
しかし、全体の車盗難の被害が減る一方で「組織的な高級車の盗難が増加」しています。
リレーアタックとはなにか
「スマートキー」が一般化すると同時に、新たな車の盗難方法が誕生しました。
それが「リレーアタック」です。
2016〜7年前後、海外から入って来た盗難方法と言われています。
ポイント
「スマートキー」が発信する微弱な電波を特殊な装置で増幅し、対象車両までリレーすることによって「解錠・始動」を行い盗難する方法です。
本来、スマートキーが発する電波は「1m程度」しか届きません。
昔の盗難手法のように手荒にドライバーを用いる事なく、電波を拾ってあっと言うまに盗難されてしまいます。
何が困るかって、この手の「装置」が海外通販で購入出来てしまうんですよね。
もはや、イタチごっこです。
2020~からは「CANインベーダー」と言う窃盗手法も入ってきており、車メーカーは頭が痛いですね。
リレーアタックを防止するには
車の盗難と言えば、昔は非行少年が行うイメージでしたが、現在は「組織化した窃盗団」の犯行がほとんどに感じます。
メーカーや車種名は出しませんが、日本車の海外人気もあり高値で売れるのでしょう。
では、「リレーアタック」を防ぐにはどうすればよいのでしょうか??
ポイントをまとめます。
- 反射・吸収・多重反射
- 「アルミホイル」や「アルミ缶」でも盗難対策になる??
- 効果はあるが過信しすぎはダメ
反射・吸収・多重反射
「電波遮断」というのは言葉の通り、「スマートキー」の発する電波を遮断する方法です。
遮断と一言にいいますが、「反射・吸収・多重反射」の3つに分類されます。
とても専門的な話で難しくなる為、深い話はしません。
(というか、専門外の知識なので僕からは出来ません・・・笑)
で、本題は「電波遮断付きキーケース」が、なぜ電波を遮断できるのかと言うことです。
仕組みは割と単純で内生地に「電磁波シールド生地」を使用してるんですね。
「電磁波シールド生地 (シールドクロス)」とは簡単に言うと繊維に銅やニッケルなどを織り交ぜた布になります。
(素材は銅・ニッケル以外にも多数あります)
この布を内生地に使い、電磁波を「吸収・反射」させるイメージになります。
「アルミホイル」や「アルミ缶」でも盗難対策になる??
上記のニュース、覚えてる人もいるのではないでしょうか??
「アルミ缶」にスマートキーを入れて盗難を防いだ話ですね。
これと同じ原理なのですが、「アルミホイル」をスマートキーに巻きつけても同様の効果が見込めます。
アルミホイルにも電磁波を遮断するシールド効果というものが備わっているようです。
自宅では「アルミ缶」での対策は効果的でしょう。
習慣的にスマートキーを収納する癖をつけるといいですね。
効果はあるが過信しすぎはダメ
「電波を遮断」する事でリレーアタックは防止できます。
ただ、「電波遮断付きキーケースに入れたから絶対安心!」って事はないんですよ。
レビューを確認すると「遮断しない」とか「普通に鍵が開く・・・」、「すぐ効果がなくなった」などなど。
辛辣な意見も一定数挙がります。
メーカー目線ですが・・・100%遮断のキーケースは難しいと思います。
何が難しいって「電波」は目に見えません。
電波を遮断するには、電磁波シールドを用いて完全に隙間を塞ぐ必要があります。
イメージ的には「完全防水」の商品を作るイメージに近いですね。
極端ですが、目に見えない敵に対策をするような感覚です。
フラップやファスナーが摩耗で弱ると、少しの隙間から電波が漏れてしまいます。
もちろん一定の効果は見込めるでしょうが、過度な期待は裏切られる可能性が大きいです。
電波遮断付きキーケース(キーポーチ)3選
最後に「リレーアタック防止」にオススメな、「電波遮断キーケース」を3つ選んでみます。
シンプルで普段使いやすそうなアイテムを中心に選んでみました。
是非参考にしてみてください。
DOUBLES(ダブルス)
北海道産の原皮を大胆に使用したキーケースです。
パッとみた感じ普通のキーケースにしか見えませんが、内生地に電磁遮断生地を使っておりスマートキーを守ります。
リレーアタック防止を謳ったキーケースは、「それっぽい」アイテムが中心だったので見た目がオシャレなのは嬉しいですね。
大阪のバッグブランドHARVEST(ハーヴェスト)のレザーラインになります。
LIBO(リボ)
型押しが美しいPUレザー(合成皮革)が特徴のキーケースです。
規則的なメッシュ柄が高級感があり、お高めな車にも似合いそうですね。
2層ポケットになっており「遮断/非遮断」で使い分けることが出来る為、普通のキーケースとして使うことも可能です。
FANACAN(ファンカン)
こちらはなんといっても「コスパ」ですね。
驚くことに「2個セット・レザー素材(本革か?)」で2000円です。
アマゾンにありがちな中国製ですが、「コスパ重視なら馬鹿にできないなぁ・・・」と。
ちなみに、もし日本製で同じ総革の作りなら、1つで4000円〜は硬いでしょう。
革製品は意外と高いのよ
電磁遮断生地がダメになるとの声も多いので、コスパがいいアイテムは嬉しいですね。
まとめ
「電波遮断付きキーケース」についてまとめてみました。
スマートキーの電波は「電磁波シールド生地」によって遮断できる事が分かったかと思います。
余談ですが、日本には様々な革製品のメーカーさんがありますが、「電波遮断アイテム」への参入が少ないと思いませんか??
これだけ需要が多いのに。
僕個人の見解になりますが、「リスク」が大きすぎるんですよね。
「電波遮断できずに車が盗まれた!!」とかね・・・
革製品の販売単価とリスクを天秤にかけると参入が難しいのでしょう。
過信しすぎずに、上手に対策できたらいいですね。
参考になれば幸いです。
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